梅田のジーンズショップ”SAMURAI”さんが、今度京都に支店を出すことになり
その陳列用の全ての什器をオーダーされたので、改装中の町家の店舗を現調に行きました
什器のデザインはこの話を持ってきた友人がやるんですが、彼は建築家ではなくて本業はイベント等の舞台屋なんです
ただ今回のテーマが京都の町家という事で「時代劇のセットっぽく」だったので、舞台の装飾や小道具等の製作で
普段から 彼のセンスをよく知ってる、ジーンズショップの社長さんから是非にとお願いされたそうです
そしてこれが彼の書いた図面です
一階と二階のツーフロア分、合わせて11台の什器があります
設計屋が書くと平面と立面の真四角で無機質なキャド図面になるんですが、彼の場合は斜めから見た立体図だけです
この絵に大まかな寸法が入ってるだけで、後の細かい事は作る人にお任せということでした
この絵を見た現場の大工さん達も「こりゃーわかりやすいなー!」「俺にもこんな図面がほしい!」と盛り上がってました(笑)
自分も彼がこんな絵が描けることは知らなかったので驚いたんですが、すぐに形をメージすることが出来たので、
”おまかせ”されるプレッシャーは少しあったけど俄然 やる気も出てきました
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その後1ヶ月程でようやく全部完成したので、京都に納品に行ってきました
看板がまだ付いてないので、お店に見えませんが外装も殆ど出来てました
そして完成した什器は、まず一階の分からです
一つ目は入り口横の下駄箱です
格子の引き戸に天板は支給された竹の敷物を貼ってます
次に売り場に入ってすぐ右側にある棚です
天板はワンバイでサイドは杉板のステイン仕上げで月の切り抜きをしてます
奥の売り場にあるハンガーラックは黒竹の棒を使いました
その横にある四角いキューブを21個積み上げた棚です。バラして別の形に組み替えることもできます
一番奥にあるガラスケースです。両サイドのコーナーからLEDのテープライトで照らしてます
コーナーに置く丸テーブルは漆っぽい艶あり塗装で、下が行灯になってます
階段前に置く衝立はルーターでロゴを彫込ました
キューブ以外は殆ど無垢材のステイン仕上げなので、内装の落ち着いた感じとよく合ってます
二階は4帖程の畳の間と床の間に4台の什器を作りました
真ん中に収納を兼ねたテーブルを置きました。両側の引き出しの正面にも竹の編み物を貼ってます
奥の板の間には、引き戸の収納の上に、二段に変更された棚をつけました
左側の壁には一番大きな什器です。階段を上げるために分割して作りました
床の間には漆風の格子でハンガー掛けの金物をカバーしてます
ベースは縞鋼板をそのまま使ってます
特に和風を意識したつもりはないんですが、畳の間にもしっくり合ってると思います
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”時代劇のセット”っぽくなったかどうかはわかりませんが、絵が分かりやすかったのでとても作りやすかったです
彼にも「ばっちり!イメージどうりじゃん」と喜んでもらいました
今回は実用性を守った上で、最終的なイメージを作り手に任せてもらえたのがうれしかったですね
実際、図面の段階で完璧なバランスを決められる人って、なかなかいないんですよねー(それがデザイナーの腕なんですが)
そして作り手とクライアントが近かかったのも、よかったと思います
いつものお仕事なら(特に大きな組織になればなるほど)間に色んな人が入るので、そっちがいいとわかってても臨機応変な変更等、到底不可能です
もちろん時間と予算の制約があるからなんですが、ホントは各担当者が(サラリーマンなので?)責任をとりたくないので
”無難に無難に”やろうとして、逆に無駄なことをたくさんやって、結局面白くないものになるんですね~
まあ分業なので仕方ないし末端の自分にはもちろん決定権はないんですが、貧乏性なのでつい「もったいないなー」といつも思います
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お店は1月11日にオープンするそうなので、お近くに行った時はぜひ見に行ってください(もちろんジーンズも)
場所はこちらです