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24日から3泊4日で、今年も信州にガーデンを見にいきました
去年は白馬だったので、今回は八ヶ岳方面を中心に廻りました
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長野に抜けるオリンピック道の途中で、湧き水を汲んで、ふと振り返ると
北アルプスにはまだ雪が残ってました
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各ガーデンには、今が盛りと色んな花が咲いてます
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大きい所だけでなく、オープンガーデンが盛んな須坂市では、個人のお庭にも3軒ほど伺いました
そのお庭で頂いたスグリは、ちょっと酸っぱくておいしかったです
個人のお庭は、オーナーの個性がはっきり出てて面白いですね
二泊目は、高原のペンションに泊まりました
こちらもお庭が有名なお宿です
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木工は奥さんのお父さんが大工さんなので、絵を渡して作ってもらうそうですが
このお父さん、なかなかセンスありますねー
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オーナーさんにお花のレクチャーも受けながら、庭を案内してもらいました
このペンション村以外にも、地域のガーデン指導もされてるそうで、すごくわかりやすかったです
最後にさらっと「この庭は私の全てです」と言った表情が、とても自然な感じがしました
お顔も声もいい方なので、そのうち”趣味の園芸”に出そうな気がしました(笑)
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玄関の前のサンルームは飾りではなくて、冬には-20℃になることもあるので
冷気を家に入れないために必要なんだそうです
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食堂の壁に掛けてるオブジェは、庭の植物のドライだそうです。なかなかいいですね
ただ、外のお花が充実してる割には、家の中は意外と植物が少なかったのが、ちょっともったいないかも
内装も築40年のままで、つい、ここをこうすれば予算をかけずにずっと良くなるのに・・とか思ってしまいます
お庭がすばらしいので、その手間とセンスを少しだけ中にも向ければ、まだまだよくなると思いますが
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その庭が見えるフリースペースには、開業当初からのアルバムがありました
当時の青春画像がまるで自分の写真のようで、ちょっと懐かしくて見入ってしまいました
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その最後のページに、なぜか福山雅治と吉高由里子さんが普通に写ってました
聞くと、4年前にドラマ”ガリレオ”の撮影を、ここでしたそうです
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庭が広くて一階に客室のあるペンションということで、いきなりオファーがあったそうですが
自分達が泊まったこの部屋も、重要なシーンに使われたそうです
多分ドラマは自分も見たはずですが、どんなストーリーだったかは、まったく思いだせません(笑)
ここのペンション村は80軒ほどの建物があるそうですが、こちらのように二代目に継がれてる所は少なく
また他の人が買ってまでやる人気はもうないので、今頑張ってる初代がやめれば廃業というところも多いそうです
実はヨメが若い時に、ひと夏ここにあるペンションでバイトをしてたそうなので、探して行ってみると、
まだ建物は残ってたけど、やっぱりもう空き家になってました
ペンション経営は、当時の若者の憧れのお仕事で、自分の友人も講習会に参加したことがありました
ただ、ブームを一部の協会の営利目的に利用されたこともあって、それが去った後の経営は苦しい所もあったと思います
こちらのペンションは、オーナーが自分のためにやってたガーデニングが、たまたま時代とマッチしたそうですが
そんなこだわりと特徴をもっていない所は、今はなかなか難しいのかもしれません
まあ、商売全てそういうものかもしれませんが、なぜか他人事には思えないので、残ってる人たちには
頑張ってほしいもんです
そのオーナーさんに勧められて、軽井沢のレイクガーデンにもいきました
人工湖の周りの巨大なバラ園ですが、ここは元レマン湖じゃないんでしょうか・・
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今はシャッター街の閑古鳥状態です
バラ園と合わないこともないですが、何か取り壊せないわけがあるんでしょう
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そういえば、途中で寄った清里の駅前もそんな感じでした
夏になると大挙して押し寄せた、当時の若者のあの熱気は何だったんでしょうね
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実はバラにはヨメ共々特別な興味はないので(自分は花も)ついそんな所ばかり見てしまいますが
バラ園の裏の景観は自然の森のようで、すごくよかったです
軽井沢の別荘周りのカラマツ林は大好きで、学生時代によくその中をサイクリングしたもんです
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自然の森といえば、八ヶ岳倶楽部の裏の雑木林は、まんまツボでした
枕木の遊歩道が、森の中に続いてます
ウーン、この中に小屋を建てたい!
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オーナーの柳生さんも、このポスターと同じ笑顔で迎えてくれたのが、うれしかったです
お元気でいてくださいね
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八ヶ岳を望むヤギと、まったく動かないので置物かと思ったビクターの犬(?)
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それと今回の旅の目的は、ガーデン巡りと共に、このお宿に泊まることでした
こちらは知る人ぞ知る、アンティークを使ったインテリアと料理で有名なお宿です
去年は近くを通ったのにいけなかったんです
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すっきりした玄関の横は、そのアンティークのギャラリーになっています
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2組限定の小さなオーベルジュですが、待ってる間のエントランスも洗練された空間でした
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最初に案内されたリビングからは、木崎湖が正面に見えます
さっそくテンション上がりっぱなしで、スマホで撮りまくり(笑)
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棚の小物もすべて厳選されたものばかりで、これだけあっても、いわゆるスキがどこにもありません
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コーナーディスプレイも完璧です
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自分的には、インテリアは飾り物より、床や壁等の背景が重要だって今までは思ってましたが
ここを見るとそれは逆で、結局”何をどう置くか”で、決まるんだって思いしらされます
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そして、泊まった部屋です
当日は自分達だけだったので、大きいほうの部屋に案内されました
ここのお宿は、2回移転してここで3軒目だそうで、以前の部屋も雑誌でみたのですが
その時より、クセがなくなったというか、すっきりしてるような気がしました(シュッとしたアフリカ?)
たまたま見た昔のカントリー雑誌に載ってるインテリアの写真は、もうどれも時代遅れの印象でしたが
同じ本に載ってた、こちらの(以前の)お宿の写真だけは、今見てもなぜか古さを感じませんでした
それがとても不思議で、一度ここに来てみたいと思ったんです
それだけスタンダードなものがベースにあるんでしょうが、一度完成したものを捨ててでも次にいくですねー
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正面の板は後で聞くと、国産の古材を苛性ソーダで洗ってこの色目を出したそうです
そのためか、古材なのに清潔感があります
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正面の窓は、湖が絵画のように切り取られています
一階のリビングより二階の部屋からの方が目線が高い分、湖が広く見えます
いわゆる”浜付き”ではなくて、湖岸まで少し距離があって、あえて木を全部切らないで、
その間から湖が見えるようにしてるので、風景に奥行き感があります
今は葉っぱが少し多すぎますが、一年を通すと、これ位がベストなんでしょうね
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ただ、一点だけ設計上の気になることが・・(それもかなり根本的な)
デザイン優先のための福産物か、はたまた完璧すぎるために、わざと”抜け”を作ってるのか・・?
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部屋で一服してから、一階のリビングに、夕食に降りました
日が長いので、まだまだ外は明るいです
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インテリアと同じ、どこの国風ともいえないちょっと個性的な、でも少しも気をてらった所のない
コース料理は、食に疎い自分にも、”ただならぬもの”であることは分かりました(笑)
料理は変化するので、それが飽きずに続けられる大きな理由だそうです
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そしてもう一つのごちそうは、何と言ってもこの景色です
真っ暗になって、対岸のキャンプ場の明かりがちらつくまで、久しぶりにゆっくり頂きました
レベルは全然ちがうけど、山を下りて湖岸を選んだ気持ちが、自分達にも少しは分かる気もします
紅葉もするそうなので、それが湖面に映る景色も、もう一度見たいもんです
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同じ場所で、今度は朝日に光る湖面を見ながらいただきました
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朝食のあと、チェックアウトまでの時間で、宿の周りを散歩しました
湖岸の遊歩道に降りると、湖面に山の緑が映って深いグリーンです
この色は琵琶湖ではなかなか見ることができません
山の湖を絵に描いたような風景ですが、これ位の大きさがちょうどいいサイズなのかもしれません
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下から宿を見ると、こんもりした小さな丘の上に、木に囲まれて建っています
聞くと、ここだけ丸く張り出した形になっていて、もともと家も建ってなくて
地元の人が、お花見をしてた場所だったそうです
地形を最大限に生かした設計も見事ですが、なによりこの土地を見つけた時の感動が
一番すごかったんじゃないかと思います
改めて、家は、”どこに建てるか”が、結局は一番なんだって思いました
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オーナーのご夫婦は、日本にアンティークという文化を持ち込んだ最初の世代だと思います(故天沼さんと共に)
自分にとっても雲の上のような人なので、そんな人にお客とはいえ接待してもらうのは、心苦しくて緊張しました
年齢的にも、もうゆったりとされてるだろうと思ってたんですが、いやいや現役バリバリで動かれてました
インテリアやディスプレイより、その仕事に対する姿勢が一番勉強になったような気もするし、うれしかったです