6月24~27日 信州ガーデン巡り

24日から3泊4日で、今年も信州にガーデンを見にいきました
去年は白馬だったので、今回は八ヶ岳方面を中心に廻りました



長野に抜けるオリンピック道の途中で、湧き水を汲んで、ふと振り返ると
北アルプスにはまだ雪が残ってました

 

各ガーデンには、今が盛りと色んな花が咲いてます

 

季節的にバラも満開でした

大きい所だけでなく、オープンガーデンが盛んな須坂市では、個人のお庭にも3軒ほど伺いました


そのお庭で頂いたスグリは、ちょっと酸っぱくておいしかったです
個人のお庭は、
オーナーの個性がはっきり出てて面白いですね

 

二泊目は、高原のペンションに泊まりました

 
こちらもお庭が有名なお宿です

 
木工は奥さんのお父さんが大工さんなので、絵を渡して作ってもらうそうですが
このお父さん、なかなかセンスありますねー

 
オーナーさんにお花のレクチャーも受けながら、庭を案内してもらいました
このペンション村以外にも、地域のガーデン指導もされてるそうで、すごくわかりやすかったです
最後にさらっと「この庭は私の全てです」と言った表情が、とても自然な感じがしました
お顔も声もいい方なので、そのうち”趣味の園芸”に出そうな気がしました(笑)


玄関の前のサンルームは飾りではなくて、冬には-20℃になることもあるので
冷気を家に入れないために必要なんだそうです


食堂の壁に掛けてるオブジェは、庭の植物のドライだそうです。なかなかいいですね

ただ、外のお花が充実してる割には、家の中は意外と植物が少なかったのが、ちょっともったいないかも

内装も築40年のままで、つい、ここをこうすれば予算をかけずにずっと良くなるのに・・とか思ってしまいます
お庭がすばらしいので、その手間とセンスを少しだけ中にも向ければ、まだまだよくなると思いますが

 
その庭が見えるフリースペースには、開業当初からのアルバムがありました

当時の青春画像がまるで自分の写真のようで、ちょっと懐かしくて見入ってしまいました


その最後のページに、なぜか福山雅治と吉高由里子さんが普通に写ってました

聞くと、4年前にドラマ”ガリレオ”の撮影を、ここでしたそうです


庭が広くて一階に客室のあるペンションということで、いきなりオファーがあったそうですが
自分達が泊まったこの部屋も、重要なシーンに使われたそうです
多分ドラマは自分も見たはずですが、どんなストーリーだったかは、まったく思いだせません(笑)

 

ここのペンション村は80軒ほどの建物があるそうですが、こちらのように二代目に継がれてる所は少なく
また他の人が買ってまでやる人気はもうないので、今頑張ってる初代がやめれば廃業というところも多いそうです

実はヨメが若い時に、ひと夏ここにあるペンションでバイトをしてたそうなので、探して行ってみると、
まだ建物は残ってたけど、やっぱりもう空き家になってました

ペンション経営は、当時の若者の憧れのお仕事で、自分の友人も講習会に参加したことがありました
ただ、ブームを一部の協会の営利目的に利用されたこともあって、それが去った後の経営は苦しい所もあったと思います

こちらのペンションは、オーナーが自分のためにやってたガーデニングが、たまたま時代とマッチしたそうですが
そんなこだわりと特徴をもっていない所は、今はなかなか難しいのかもしれません
まあ、
商売全てそういうものかもしれませんが、なぜか他人事には思えないので、残ってる人たちには
頑張ってほしいもんです

 

そのオーナーさんに勧められて、軽井沢のレイクガーデンにもいきました

 

人工湖の周りの巨大なバラ園ですが、ここは元レマン湖じゃないんでしょうか・・


湖岸の建物は、何となく学生時代に見た記憶があります


この道は、当時若者であふれてたような気がしますが・・

 


今はシャッター街の閑古鳥状態です
バラ園と合わないこともないですが、何か取り壊せないわけがあるんでしょう


そういえば、途中で寄った清里の駅前もそんな感じでした
夏になると大挙して押し寄せた、当時の若者のあの熱気は何だったんでしょうね


実はバラにはヨメ共々特別な興味はないので(自分は花も)ついそんな所ばかり見てしまいますが
バラ園の裏の景観は自然の森のようで、すごくよかったです

軽井沢の別荘周りのカラマツ林は大好きで、学生時代によくその中をサイクリングしたもんです

自然の森といえば、八ヶ岳倶楽部の裏の雑木林は、まんまツボでした

 
枕木の遊歩道が、森の中に続いてます
ウーン、この中に小屋を建てたい!

 
小屋型のショップの屋根は草屋根で、大きな木も生えてました


オーナーの柳生さんも、このポスターと同じ笑顔で迎えてくれたのが、うれしかったです
お元気でいてくださいね


 
各ガーデンのディスプレイも、色々あって面白かったです


ちょっとヘタな(?)造型モルタルも、逆に親近感がわきます

 
八ヶ岳を望むヤギと、まったく動かないので置物かと思ったビクターの犬(?)



・      ・

それと今回の旅の目的は、ガーデン巡りと共に、このお宿に泊まることでした

こちらは知る人ぞ知る、アンティークを使ったインテリアと料理で有名なお宿です
去年は近くを通ったのにいけなかったんです

 

すっきりした玄関の横は、そのアンティークのギャラリーになっています


2組限定の小さなオーベルジュですが、待ってる間のエントランスも洗練された空間でした

 
最初に案内されたリビングからは、木崎湖が正面に見えます

さっそくテンション上がりっぱなしで、スマホで撮りまくり(笑)

 

棚の小物もすべて厳選されたものばかりで、これだけあっても、いわゆるスキがどこにもありません

  

コーナーディスプレイも完璧です

 

自分的には、インテリアは飾り物より、床や壁等の背景が重要だって今までは思ってましたが
ここを見るとそれは逆で、結局”何をどう置くか”で、決まるんだって思いしらされます



そして、泊まった部屋です

当日は自分達だけだったので、大きいほうの部屋に案内されました

ここのお宿は、2回移転してここで3軒目だそうで、以前の部屋も雑誌でみたのですが
その時より、クセがなくなったというか、すっきりしてるような気がしました(シュッとしたアフリカ?)

たまたま見た昔のカントリー雑誌に載ってるインテリアの写真は、もうどれも時代遅れの印象でしたが
同じ本に載ってた、こちらの(以前の)お宿の写真だけは、今見てもなぜか古さを感じませんでした
それがとても不思議で、一度ここに来てみたいと思ったんです

それだけスタンダードなものがベースにあるんでしょうが、一度完成したものを捨ててでも次にいくですねー


正面の板は後で聞くと、国産の古材を苛性ソーダで洗ってこの色目を出したそうです
そのためか、古材なのに清潔感があります



正面の窓は、湖が絵画のように切り取られています

一階のリビングより二階の部屋からの方が目線が高い分、湖が広く見えます

いわゆる”浜付き”ではなくて、湖岸まで少し距離があって、あえて木を全部切らないで、
その間から湖が見えるようにしてるので、風景に奥行き感があります
今は葉っぱが少し多すぎますが、一年を通すと、これ位がベストなんでしょうね

 


  
もちろん設えも素敵で、備え付けの洗面台もおしゃれです

ただ、一点だけ設計上の気になることが・・(それもかなり根本的な)
デザイン優先のための福産物か、はたまた完璧すぎるために、わざと”抜け”を作ってるのか・・?


部屋で一服してから、一階のリビングに、夕食に降りました


日が長いので、まだまだ外は明るいです


インテリアと同じ、どこの国風ともいえないちょっと個性的な、でも少しも気をてらった所のない
コース料理は、食に疎い自分にも、”ただならぬもの”であることは分かりました(笑)

料理は変化するので、それが飽きずに続けられる大きな理由だそうです


そしてもう一つのごちそうは、何と言ってもこの景色です

真っ暗になって、対岸のキャンプ場の明かりがちらつくまで、久しぶりにゆっくり頂きました

レベルは全然ちがうけど、山を下りて湖岸を選んだ気持ちが、自分達にも少しは分かる気もします
紅葉もするそうなので、それが湖面に映る景色も、もう一度見たいもんです


 
これは朝食のテーブルです

同じ場所で、今度は朝日に光る湖面を見ながらいただきました

朝食のあと、チェックアウトまでの時間で、宿の周りを散歩しました

 
湖岸の遊歩道に降りると、湖面に山の緑が映って深いグリーンです
この色は琵琶湖ではなかなか見ることができません

山の湖を絵に描いたような風景ですが、これ位の大きさがちょうどいいサイズなのかもしれません

 

から宿を見ると、こんもりした小さな丘の上に、木に囲まれて建っています

聞くと、ここだけ丸く張り出した形になっていて、もともと家も建ってなくて
地元の人が、お花見をしてた場所だったそうです

地形を最大限に生かした設計も見事ですが、なによりこの土地を見つけた時の感動が
一番すごかったんじゃないかと思います

改めて、家は、”どこに建てるか”が、結局は一番なんだって思いました

オーナーのご夫婦は、日本にアンティークという文化を持ち込んだ最初の世代だと思います(故天沼さんと共に)
自分にとっても雲の上のような人なので、そんな人にお客とはいえ接待してもらうのは、心苦しくて緊張しました
年齢的にも、もうゆったりとされてるだろうと思ってたんですが、いやいや現役バリバリで動かれてました
インテリアやディスプレイより、その仕事に対する姿勢が一番勉強になったような気もするし、うれしかったです