京都の”小さい部屋”さんの移転工事が終わったので、撮った写真をまとめてみました
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移転先は京都の真ん中近くの物件で(歩いて探したそうです)ビルの二階の
フツーの事務所っぽい部屋でした
でも角部屋で、大きな窓が二面に付いてて明るいです(エレベーターはありました♪)
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オーナーの美緒ちゃんから、今回のイメージ写真の雑誌を見せてもらいました
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事務所はこんな感じで、天井から少し隙間をもたせた、厚めの壁で仕切って
入り口と窓の開口を付けたいそうです
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そのイメージを元に考えた内装プランは、床は板張りで、壁は釘が効くようにして漆喰仕上げ。
入って右側をL型の壁で仕切って、事務所スペースを作る。
その天井にいつものフェイク梁を渡して、蛍光灯をハイダクレールに変える。
入り口は古道具の引き戸を付ける・・、というのが大まかなプランですが、
いつものように、作りながらイメージに合わせて変更していくかもしれません
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まず最初は、床の素材選びです
今回は床が全体のイメージを大きく左右する事が分かっていたので、時間をかけて選びました
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イメージ写真を見た時に、それが足場板の古材っぽかったので、ネットで調べた
広島の足場板屋さんから、最終的に選んだ二種類のサンプルを数枚取って、
びわこの床に並べて見てもらいました
手前が新品を古材風に加工したもので、表面と手触りもきれいです
奥が工事現場で実際に使われていた古材のリサイクル品で、傷だらけで所々ペンキも付いています
こういう時は解説は一切しないで、直感で選んでもらうことにしています
そして彼女が「こっち!」と指さしたのは、汚いリサイクル品の方でした
「うん!そだねー」(内心そっちを選ぶと思ってました)
カーリング女子、メダルおめでとう!
一枚だけを見ると、リサイクル品はあまりにも汚くて新品の方がいいように見えたんですが
数枚を実際に並べてみると、不思議と古材のほうが馴染んでたように見えたんです
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早速発注すると、すぐに80枚ほどの足場板が、5枚ずつ梱包されて送られてきました
でも近くで実物を見ると、やっぱりメッチャ汚い。古材というより廃材っぽいかも
こっちを選んだものの、ホントにこれで大丈夫なんだろうか・・
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とりあえず梱包をバラシて、一枚ずつ反りがないか確認して、反ってるのは半分にカットしてから
角を面取りしましたが、足場板屋さんの方で選んでいるのか、意外と大きく反ってる物はなくて
発送前に軽くサンディングもしてくれてるようでした
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なんとか準備ができたので、いよいよ工事開始です
搬入は、美緒ちゃんと”太陽カフェ”を引退した旦那さんも一緒に、手運びリレーで上げました
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全面ベニヤが張れたら、足場板を継ぎ目がなるべく重ならないように、モザイク風に並べていきます
最初はベニヤに接着させようかと思っていたんですが、板自体が重くて意外としっかりしてるので、
とりあえず置いてるだけにしました
befor
元のイメージの雑誌の床にも、かなり近い気がします
近くで一枚ずつ見るとただの汚い板なんですが、敷き詰めると粗さとムラが
逆にかっこよく見える不思議な素材ですね
さすが今ヒットしてるわけです
人工ではこの味は出ないと思います(やっぱりこれにしてよかった)
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内装イメージの方向性も、メインの床が出来たことで、より具体的になってきたので
後はこれに合うように作っていけばいいわけです
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次はその奥の壁です
ここの壁は石膏ボードで釘がききません。また賃貸物件なので、一応原状復帰のことも考えて
壁の前にもう一枚ベニヤの壁を立てることにしました(まあいつものパターンですが)
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3分割で作ったパネルを合体して、横の柱囲みのパネルと繋ぎます
右側は、後で作る事務所の仕切り壁と繋いで固定する予定です
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つづけてその事務所の壁を作ります
これは美緒ちゃんの希望通り、10cm位の厚めの壁にしました
片面でバラバラに作って、合体して立ててから裏をあとでふさぎます
これもいつものウチらのやり方ですが、彼女も興味深々なようです
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繋げたらみんなで一緒に、よっこらしょっと持ち上げます
いわゆるツーバイフォー住宅の建て方と同じですね
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二面をL型に合体してさっきの壁パネルと床にとめると、事務所の完成!
(仮に立ててみると、ちょっと奥行きが広すぎたので、横の壁を20㎝カットしました)
窓は、色々考えて結局こんな形になりました
内側のベニヤは一部はらずに、棚として使うことにしました
内側のペンキ塗りは自分達でするそうです
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次は、天井にある梁が、けっこう目立っているので、それを化粧します
プランでは全部やるつもりだったんですが、予算節約のために奥の二面だけにしました
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工場でサイズを合わせた、いつもの杉板組のフェイク梁を作ってきました
色は床に合わせて、グレーエイジングにしました
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これをコの字型の板でカバーします
一体物では運べないので、二分割で作って部屋の中で合体しましたが、
中は空洞で軽いとはいえ、折れると大変なので、これでもかという位頑丈につなぎました
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皆で協力して持ち上げて、両サイドの壁パネルに乗せて固定しました(写真を撮る余裕なし)
補強は、梁にアンカーを打つと簡単なんですが、躯体を傷つけたくなかったので
天井点検口から、真ん中を天井裏のボルトからワイヤーで吊りました
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次に、その梁から事務所の上に二本梁を渡しましたが、付けてみると天井が低いので
予想以上に圧迫感があったため、一本に減らして幅も低くしました
この梁は、照明用のダクトレールを付けるという目的もあるんですが、
蛍光灯を外して、ハイダク用のランプに替えると、また全然雰囲気が変わりました
(外した器具は、かさばるので天井裏に収納しました)
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一服したところで、次は入り口周りです
入り口は、鉄扉のドアが付いていて、閉めると外の廊下は光が入らずに暗いままです
でもこのドアは規定上取り換えられないので、内側にもう一枚入り口を付けることにしました
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ドアを開けっぱなしにできる幅をもたせて、建具の入る壁を付けました
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建具はオーナーのお知り合いの古道具屋さんにあった、縁側用の引き戸を使うことにしました
ガラス面が広いので明るいはずですが、出入りの多いお店用に使うにはちょっと華奢なので
後でガラスの補強が必要かもしれません
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そして最後の仕上げは、壁の漆喰塗りです
ベニヤの継ぎ目に割れ防止のメッシュテープを貼って、木工ボンドをプライマー代わりに
塗ってから、漆喰を塗っていきました
床から90cmの所に4cm幅の段を付けました。ちょこっと飾る棚にするそうですが、
壁の奥行き感が出て、面白いアイデアです(今度どこかで使おっと)
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仕上げの押さえは、本人にも手伝ってもらいました(意外とうまい)
仕上げは手袋をした手でなぜなぜして、好みの粗さに表面を整えます
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皆なの思いを塗りこめた(笑)なかなかいい感じに仕上がりました
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入り口周りの壁も塗りました
欄間は、アイアン枠にいつものアルトドイッチェを入れたんですが、
カッコよすぎて(?)下の建具と合わなかったので、後で普通のガラスに変える予定です
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このコーナーが、多分ギャラリーとしてのメインスペースになるはずです
どんな作品が並ぶのか、今から楽しみです♪
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ウチの工事は一応これで終了しましたが、考えてみると、小さい部屋さんのお店作りは
香里園時代から合わせると、これで4回目になるわけです(延べ20年以上?)
雑貨屋やギャラリーの内装は、設備系が絡まないので、ほぼウチだけでいつもやるんですが
ここまでくると、お互いの好みも”あうんの呼吸”で、かなり分かってきて(笑)
今回も、またまた楽しく作らせてもらいました(後は任せた!)
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オープンは、これからペンキ塗りと作品の展示作業があるので、もう少し先になるそうです
詳細はそのうちに、ブログにアップされると思うので、そこから確認してください
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さて、引き続き今月はパピエさんのおうちのリフォームが始まります
先日イケアにキッチンの相談に行かれたので、勉強(と仕入れ)のためにご一緒させてもらいました
キッチンコーナーの隅で、工務店さんに書いてもらった現状の図面を元に、打ち合わせしました
イケアはライバル(?)なのですが、画面上に3D画像でどんどんプラン図が出来ていくのが
思ってた以上に進んでいて、アナログな自分には驚きでした。こいつは手強い(^^;)
もうすぐ最終打ち合わせがあるので、今月半ばにはウチも工事に入れると思います