BEFOR リビング 和室 床は原色柄のクッションフロア、壁は木目のプリント合板、ちょっとサイケなペンダント照明と、いかにもその時代 の典型なインテリアです(ある意味ちょっと”昭和"ぽくっておしゃれかも) |
耐震補強 構造は典型的な高度成長時代の木造軸組みで、壁はほとんどバラ板に土壁で合板等の面材は使っていない様な ので、耐震補強をする必要があると思いました そこで市の無料の耐震診断をしてもらい、工務店に見積もってもらったのですが、かなりな予算オーバーでした。 ただ診断結果は、1階片側のリビングと和室の角2コーナーだけを補強すれば、一応の安全基準をクリアするとい うものだったので、何とかDIYでもできるのではないかと思いました。 やり方は、ネットや本等で色々勉強したのですが、たまたま田舎の実家が国の補助を受けての耐震工事をしてい たので、そのつど工事写真を送ってもらって、やり方の参考にしました 基本的には、軸組みの柱と柱の間に構造用合板を使って耐力壁を作るということです まずは土壁落としです。”竹子舞”という竹の格子に塗りこんだ土壁を、手で少しずつ落としながら袋につめていき ます。TVの様なハデな解体は、騒音や埃等でDIY向きではないので、集塵機と上質な防塵マスクは、必需品でした 土壁は全部落とさずに、ネタを入れるところだけ切り込んで取る方法や(田舎の大工さんはそうしてた)、壁はそのままで 柱の上からいきなり合板を貼っていく方法もあるようですが、やはり柱の内側に入れる方が技術的にもやりやすく て、強度的のも強いように思ったので、かなりたいへんでしたが全部落とすことにしました 柱とバラ板状態になったところに、寸3のネタを65のコースレッドビスで留めてからその間に断熱材をいれてから、 12ミリの構造用合板をビス留めしました。 床板を取って基礎が出たときに、ついでに基礎と柱をつなぐ金具を補強するのも柱の抜け止め防止に必要だそう です(外側からでもいいそうです) この家は幸いな事に、築年数のわりに構造材がほとんど痛んでなくてよかったのですが、シロアリ等で腐食してい る場合は、大掛かりな工事になるのでDIYではできなかったと思います |
壁ぬり、梁付け、床はり 合板を留めるために、一部天井を取ってみると、形のいい小屋組みの梁がでてきたので、「寒くなる」と反対する姉 を「TVでもおきまりだから」と説得して、半分だけ天井を取って吹き抜けにしました。 古い柱と梁には、カンナがけしたスギ板をステイン塗りしてから化粧張りしました。ついでにいつものフェイク梁を、 色々試してみて一番よさそうな位置に1本追加しました(これが一番本物っぽかった) 合板にアク止め用の塗料を塗ってから、柱と梁をマスキングして直接漆喰をコテ塗りしました。合板の上に石膏ボ ードを貼ればより断熱効果が上がりますが、漆喰を厚めに塗ることではぶきました 今回、リビングのイメージテーマが”落ち着いた洋風民家”なので、少し色粉を入れて壁に色を付けました 床は、CFの上から直接ワンバイ材をフローリング代わりに直張りしました。材料代は¥1.600/u位なので無垢の フローリング材としては、やはり一番安いと思います |
勝手口、ベランダ befor リビングの裏手は敷地内に川沿いの通路(?)があったのですが、放置されたまま雑多な植物が茂って通りずらく なってました。 そこで少し剪定してみると1間幅ほどのスペースが現れました。 また川をはさんで向こう側が公園になっていたため、せっかくの借景を生かすのと物干し場所確保のために、予定 にはなかったのですが、窓下を半分取って勝手口と、ベランダを付けました (これはさすがに、いつもの大工さんにやってもらいました) aftor 4mの足場板を6枚使って1.2m幅のウッドデッキを作っても、まだ60センチほどのスペースが残りました。ちょっとし たガーデニングならできそうなので、あえて手摺はつけずに腰掛けれる高さにしました。 川沿いのフェンスに、いつもの白板の垣根をちょうど対岸の護岸コンクリートが隠れる高さで付けて、これもいつも のツーバイドアを付けると完成です。 室内からも開放感がでて広く感じるような気がするし、対岸の桜の花見もできそうです。(もちろん防犯対策もバッチリし ます) |
キッチン befor 流し台はステンレスの天板だけネットで買って、下台は本体をベニアで組んでワンバイで引き出しを付けました。 扉は付けずにキャスター台で、すべて引き出せるようにしたので掃除もしやすいと思います 吊り戸棚と仕切り壁も同じ様に作って統一感をだしましたが、今回はあまりカントリーっぽくならないようなデザイン にしました(あいかわらずのワンバイ家具屋ぶりですが、家具が作れるのはリフォームする時ホントに便利だといまさらながら思いました) レンジ台は事務用のスチール引き出しを2個並べて、その上に合板をアルミで板金したフードを作って乗せました 業務用のスチール什器は、作りがしっかりしてるので意外と使いやすそうです。(ペットボトルもちょうど入りました) after |
入り口ドア befor after リビングの入り口がアコーデオンカーテンだったので、ツーバイの枠の中にアイアンとアクリルで作ったステンド風 の窓を入れた少しレトロっぽいドアに替えました。 ドアはこれから入る部屋の雰囲気をなんとなく予感させる意味もあるのですが、機能的には廊下にも光が入って明 るくなりました |
できあがり befor after 床の養生を取ってステインとオイルで仕上げると一応の完成です。暇なとき少しずつやったので結局半年近くかか ってしまいました。 最後に画家のサインを真似てランプをひとつ作って柱に掛けました。 後は使うひと次第なのですが・・少々心配です・・? |
基礎 ・ やり方 畳位の小さい平屋なので、施工の簡単な、独立基礎にしましたが いちおう念のために、横の用壁からアンカーをとらせてもらいました。 少し傾斜地で、段差は端と端では30cm位ありました。 |
資材の搬入 前に作ったウッドデッキが横にあったので、作業がとてもやりやすくて あらためて平面のありがたさを実感しました。 柱と梁には、3寸5分の桧材を、20本位使いました |
床組み 防湿用のブルーシートを敷いて、束、大引き、垂木に、キシラデコール をたっぷり塗りました。山は微生物が多いのか、木のいたみが3倍 は早いです。床はコンパネの2枚重ねで、下は防腐対策で、型枠用の コーティングされたもの(パネコート)を、裏向けに張りました。 |
柱・梁組み 大工さんがいなかったら、やった事がある比較的施工の簡単な、ツーバイ工法にしたと思うのですが 今回は、プロがいたので、軸組工法です。柱に梁を組んだだけで、ガチッと決まるのはさすがですが、 ノミが苦手な僕には絶対無理だと思いました。 |
屋根組 屋根の形ができると、いきなり家っぽくなります。木の中に立つ東屋のようで、開放的で気持ちが よかったので、このままでもいいカナ、と思ってしまいました。 |
屋根貼り 垂木にコンパネをビス打ちして、軒に役物を回してから、ルーフィングとアスファルトシングルを貼りま した。 高所恐怖症なので、苦手な分野なのですが、平屋で傾斜もあまりきつくなかったので、なんとか手伝 い位はできました。 片側は横の用壁が足場になって、地上とほとんど変わらない様な感じでとても楽でした。傾斜は30度 位までで、ルーフィングの上ならなんとか滑らずできるようですが、それ以上は何か足場が必要だと 思います。 梅雨時期だったので雨が心配だったのですが、ここまでやるととりあえず安心です。 |
梁組 せっかくの軸組みなので、梁を見せる構造にするため、プレーナーをあててから組みました。 |
壁貼 柱の間に2×1の間柱を450ピッチで入れて、コンパネを貼ってから、防水フェルトをタッカー止めしました。 桧の柱がきれいだったのと、少しでも広くするため、真壁にしました。 それにしても、今時の家は軸組みの上に面材を内、外に貼るわけだから、昔に比べたら強いはずです |
外壁貼 お山の風景にマッチさせるために、150ミリ幅の杉のバラ板を、横貼りました。 耐久性に少し不安はあるのですが、一枚150円/2m位と、安いのも魅力です。 |
ステイン入りのキシラデコールを塗って、2バイ材で作ったドアを入れると、外観は、完成です。 色はたぶん時間が経つと薄くなると思うので、濃い目にしました。 ドアは防水材をたっぷり塗ってるのですが、雨の日は、伸びて開きにくくなりました。 |
1ヶ月位したら、やっぱり薄くなっていましたが、イメージ的にはこれぐらいなので、このまま止まって ほしいのですが、夏は紫外線が強いからわかりません。ただ、あと3年位したらいい感じによごれて きて、より自然な感じになると期待してるのですが。 ほぼイメージどうりにできたのでとても満足してます、作業小屋にするのにはもったいない、 という意見もあるのですが、自然の中で手作りするっていうのは、クラフトする者の夢みる典型的な イメージのひとつなんです・・。 まあ内装はいつでも変えられるので、使いながらボチボチ考えようと思います |
ウッドデッキ作り(おまけ) せっかく念願の小屋ができたので、ついでに母屋との間に空いてたスペースを、 ウッドデッキで つないで、バリアフリーにしようと思いました befor |
母屋側のデッキと、ほとんど段差が無かったので、一体感のある広いデッキになりました。 予想以上の快適さで、色んな事に使えそうです。 ただ、お山では、ウッドデッキは経験上5〜10年位しかもたないと思います。 ウエスタンレッドシダーで作れば、もっともつのでしょうが、SPFに比べて値段が3倍位高いので、 どうしても敬遠してしまいます。 まあ又作ればいいし。 今までのデータだけですが、SPFより同じ位の値段の、杉の足場板(特に赤身)の方が腐りにくい様な 気がします。やっぱりシダーだからかな? 母屋も10年以上前にある仕事がきっかけでみんなで作ったものです(基本設計、基礎、屋根、電気は外注) パネル工法(壁を一枚ずつのパネルで作っておいて現場で組む、2×4工法のキットバージョンのようなもの)なので外観は一 週間位でできたのですが、内装やなんやかやを少しずつヒマな時にやったので、ほぼ一年位かかりました (現在も進行中) 当時は2kの団地暮らしで、一戸建てにあこがれてたのもあったのですが、やはり手作りやってると、 どうしても一度は家を作ってみたくなるものです。 また、木工と建築を勉強するのは、家を建ててみるのが一番てっとり早いと誰かが言ってたけど、 ホントそう思いました 当時の工事写真が無いので残念ですが、その後も入り口をつけかえたり、部屋を増築したり、蒔ストーブを 付けたりと、自分の家をいいことに、好き勝手やってます(壊れない程度に) ”おやまに遊びに行く”というのは、ウチでは”工事にいく”ということと同意語なのです。 又、そのためにも今回の作業小屋はどうしても欲しかったのです(今までは、そのつどリビングをかたずけて作ってた のでたいへんでした) 10坪ほどの小さなコテージってかんじです 友人から”身の丈(に合った)別荘”とよばれてます。なんじゃそら 中はナチュラルカントリーです |
堀こたつ(B&Bテーブル)作り リビングの床下に余裕があったので、点検口と収納を兼ねた堀こたつ(B&Bテーブル)を作りました 差込式の足を抜くと、天板がそのまま床板に戻ります |
窓をはずしてウッドデッキの上にサンルーム(のようなもの)をつけました 外の雑木林が部屋の一部になったようで、メインコーナーになりました(H20/12 リメイク) |
今見ると、我ながらアホなもんを作ってんなあ、と思いますが、このチープでジャンクなアイデアが実は最も 得意なジャンルなのです。(技術系はホントは苦手・・・ホームセンタービルダーの夢は少々アブナイ街の発明家?) リフォームの写真は、本編にも載せてる画像です。 |
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